ネオニコチノイド研究、次の課題

先日Scienceに掲載した論文は「ネオニコチノイドによってウナギが減る」というショッキングな内容だったことから、国内外で関心が寄せられているようです。

ネオニコチノイド系殺虫剤は、水溶性・難分解性で昆虫と甲殻類に非常に効いてしまうので、米作国日本では絶対に使用してはならない農薬だと思います。また欧米では禁止の方向にあるのに、日本では逆に規制をゆるめています。こんなことをしていたら、日本の農水産物の安全性について疑問を持たれてしまいます(既に福島原発事故で、安全性に否定的な外国人が増えています)。

とは言ってもネオニコチノイドをすぐに禁止するのは現実的ではなく、将来的には様々な研究者が集積している「つくば」の研究機関が中心になって、ネオニコ使用をやめても困らない技術開発が進んでくれればと思います(特に産総研に期待!)。

研究課題は、
1)相互比較可能な分析法の確立(特にパッシブサンプラー、堆積物の間隙水)
2)生態系に与える影響の実態解明(特に時系列、普通種)
3)ネオニコチノイドに代わる種特異的な生物農薬
4)AIやドローンなどの先端ハードを使った減農薬スマート農業(例えばドローンからカメムシ発生区画を自動判別し、リモコン操作でそこだけにピンポイントで殺虫剤を発射!)
などが思い浮かびます。
私の研究室では、とりあえず1)を中心に検討を続けたいと考えています。