やっぱり大本営発表?

茨城県は4月13日まで、「東京都等と交流が多く感染リスクが高いと考えられる10市町に限って外出自粛」を要請していました。
対象は守谷市、つくば市、取手市などですが、本当に東京との交流が主な感染経路なのかと思って、つくば市や茨城県のホームページからデータを入手し、さらに取手市や守谷市についても調べてみました。
4月26日までの茨城県全体の感染者161例のうち守谷市は4例で、水戸市の8例より少ない状況でした。
取手市については感染者数がホームページで公表されていませんでしたが、JAとりで総合医療センターで院内感染が発生しており、この影響が大きいと思われます。というのは全例を公表しているつくば市でも、27例中13例が介護老人保健施設の職員と入所者と集団感染だったからです。
一方でつくば市の場合、都内との関係が特定されていたのは、わずか3例でした。
上記2タイプ(集団感染と東京)以外に感染原因が明確だったのは、ヨーロッパ旅行から帰国して発症した1例だけです。残り10例のうち5例は感染経路が不明(都内との関係も書かれていない)、5例は感染経路不明で発症した方の濃厚接触者でした。
結論として、つくば市では主な感染経路は都内ではありませんでした。東京以外の原因で誰かが感染し、集団感染に至っていました。またつくば市よりも東京に近い守谷市での感染者数は東京から遠い水戸よりも少なく、茨城県として東京からの感染に偏って警戒する根拠は薄弱でした。

これだけ国民に我慢を強いて経済もガタガタにさせるのではなく、韓国のようにPCR検査を徹底して、ウイルス感染者だけがステイホームさせればよかったんじゃないですか?と今でも思っていますが、今後、緊急事態宣言の解除に当たっては、各自治体での感染経路などの実態を踏まえて行ってほしいものです。

つくば市の対応も、これが科学の街がやることかと思います。「家にいてください、都内に行かないでください。」と消防車を走らせてアナウンスしてまわる必要は全くないでしょう。老健職員の感染が発覚したのが3月28日、それから4月1日までに一気に6名の感染が明らかになった時点で、こういった施設はクラスター化しやすいことが分かったはずですから、自主PCR検査を市内の主な総合病院と積極的に進める対策を取っていた方が賢かったと思います(慶応大学病院が自主的に始めてますよね)。

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(追伸)

茨城県民ではない方は、守谷がどんなところか全くわからないと思いますので、下記をご覧ください。

千葉、埼玉、東京から人が流れ込んだ守谷のパチンコ店がクラスターになるのかどうか、18日+14日で5月2日頃以降の守谷市の感染者数に注目したいと思います。