中期的見通し

様々な情報が飛び交うコロナウイルス感染ですが、どう対処するかに必要な情報は事情によって異なるので、とりあえず独自に分析してみました。

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死者数を感染者数で割った「致死率」は、医療崩壊がテレビで頻繁に報道されたイタリアやスペイン並みに、フランスでも高いことがわかりました。

それでパリにいる娘に「医療崩壊してんじゃない?」とLINEで尋ねたら、「1週間前の病院ベッド埋まっている率」として下記を送ってくれました。

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おそらく病床稼働率のことだと思いますが、475%には驚きです(パリは275%です)。

「これって、完全に医療崩壊じゃん?」「そ~なの~?受け入れられない患者は、専用の鉄道使って、地方の病院に送ってるらしいよ~。」とのことでした。

そのフランスがロックダウンの4週間延長を決めたのはうなずけますが、イギリスも延長するようです。

イギリスは死者も感染者も日本の10倍ですが、致死率は日本並に低く、医療がまだ機能しているのだと思われます。島国であることも日本と一緒。それでもさらにロックダウンを延長するのですから、東京で1か月後に終息する可能性は限りなくゼロに近そうです。

日本はロックダウンの遅れ・緩さから、イギリスよりはフランスに近い感染拡大をしそうであるものの、都府県を超えての患者輸送はおそらくしないでしょう。そうなると、日本で一番感染者が多くなると考える東京に事業所があり、その通勤圏である茨城県つくば市に住居がある私は、奇跡が起これば2か月後の6月、楽観的にはアビガン使用やワクチン開発で治療が多少は可能になるであろう9月までは、テレワーク状態が続くと思われます。

とすると、8月のアメリカでの現地調査も9月の学会もキャンセルの可能性が高いとの前提で、今後5か月で何を優先的に論文化し、走っている研究はどのような方法でデータを取るかを考えねばなりません。

さらには、うまく9月で外出自粛が解除され分析も始められるようになったとして、年度の後半の6か月でどのように年間予算を消化するか検討する必要がでてきます。もし年末まで自粛が続いていたら来年度への持越しも検討されるでしょうが、9月だと「年度内に使いきれ!」になる可能性が高いからです。研究者にとっては微妙なタイミングで終息する可能性にも注意が必要です。

冒頭にも書いたように、今回の感染による影響は事情によって大きく異なると思います。ただひとつ確からしいのは、あと1か月で好転することはほぼないということですす。「1か月の我慢だからお家にいよう。」ではなく、「2か月以上続くとして、家で何ができるか考えよう。」がよいと思われます。