日本の総理大臣が「諸外国のロックダウンは感染対策の決め手にはならず、結果的に各国ともワクチン接種を進めることで日常を取り戻してきている」と発言しましたが、具体的にどの国のことを言っているのか私には分かりませんでした。
たとえばニュージーランドはワクチンを2回接種したのは人口の約20%に過ぎません。感染者が出たらすぐにロックダウンすることで市中感染を抑えてきました。
イスラエルでは昨年12月19日からワクチン接種が始まり、1ヶ月後には60歳以上人口の7割が接種したと報道されています。
ただしワクチン接種だけを行ったのではなく、2020年12月27日から3度目のロックダウンも接種と平行して行っています。
一国の総理がエビデンスがないことを公言したとしたら、許されることではないでしょう。たとえエビデンスがあったとしても、それが特殊な例だとしたら、国民への説明としては不適切だと思います。
さらには「ワクチン接種が進めば感染者は激減する」との期待を国民に持たせてしまいそうですが、大丈夫でしょうか。
「イスラエル コロナ感染者 推移」でググると下記の図がトップにあります。他のソースも同様の図だったので、これが正確だとすると、日本の感染状況の今後について参考になりそうです。
たとえばワクチン接種が進んだイスラエルでも、日本同様、8月に新規感染者が急増しています。2回ワクチンを打つことによって重症化は抑えられるのかもしれませんが、感染者数そのものを減らす効果は、それほど高くない可能性がありそうです。
また、ワクチン接種が始まったのは12月27日ですが、それによって感染者数が急速に減ったのではなく、ピークを過ぎてから3月末に底を打つまでに2回、感染者数が増えています。つまりワクチン接種が進んだからと言って、ピークに達してから感染者数が底を打つまでの期間が短くなるわけではなく、ピークに達するまでの期間と同じくらいかけて減っていく傾向がありそうです。
ということを確認した上で、Googleの予測サイトをチェックしました。
8月18日~9月14日について予測していて、9月14日までは増加傾向は変わらないとの予測でした。
NHKの「特設サイト 新型コロナウイルス」には新規感染者数の推移グラフには、コロナ関連事項が表記されています。
上の図から、第5波の始まりを東京都に緊急事態宣言が出された7月11日とすれば、9月14日までは約2ヶ月です。
1)ピークに達するまでの期間と同じくらいの期間で底を打つ。
2)9月14日に感染者数がピークに達する。
と仮定した場合、底を打つのは11月中旬になります。ピークが9月末だとしたら、2.5ヶ月×2=5ヶ月で、底を打つのは9月末から5ヶ月後の2月末です。今のような対策でワクチン接種だけに期待していたら、お盆だけでなくクリスマス、年末年始もコロナ禍ということになってしまいそうです。
昨年11月に、卒寿を迎えた父のお祝いを萬年喜寿司でと思っていたのが延期になり、今年の11月こそはと思っていました。またもやダメそうです。
もし年末年始もまだコロナ禍だと萬年喜寿司さんをはじめ、飲食業界は生き残れないのではないかと心配です。知事会がロックダウン相当の措置を政府に求めていますが、それくらい必要だと感じます。
かつて3.11で計画停電が行われたとき、当時の橋本知事は「被災地に計画停電とは何事か!」と一喝、茨城県は計画停電から外れてくれました。9月5日の県知事選挙ではロックダウンについて議論されてないようですが、国に配慮せず、県独自で有効な策を実践できる方が知事になってほしいものです。