なぜネオニコチノイド研究は不採択なのか?

ネオニコチノイドが飲用水と河川環境に与える影響を調査するプロジェクトを環境省の某大型研究助成に応募し、昨年末に「書類審査落ち」となりました。その評価内容が昨日、メールで届きました。

「農業の生産性と持続性の両立をめざす大きな政策が推進されているが、農業による環境負荷に関する定量的データが少ないのが現状である。地下水、上水道に関しても同様である。本来は行政が実施すべき調査を、研究者が行わざるを得ない状況とも理解できる。これまでほとんど調査が無いのであれば非常に重要な研究である。」
と評価した人もいれば、
「環境水中に農薬が検出されていると大衆はパニックになる可能性があるが、冷静な議論をするためにはどのような点に気を付けなければならないのか伺いたい。」
と「はぁ???」と思うような評価をする人もいました。
複数名の評点による合計点で評価される場合、「高評価が数名いても誰か一人が極端に低い点をつける尖った研究」は不利になり、「誰も極端に低い点をつけなかった」、いわば無難な提案が有利になる傾向があると思います。文科省の科研費はとうとうネオニコチノイド研究で採択されることはありませんでしたが、不採択の背景は「農薬メーカーの回し者がいる」のではなく、評価方法のせいだと思うようにしています。