学位論文中間審査 秋編

日本の大学から進学する学生さんは修了が3月なので、学位中間審査は半年前のこの「秋編」のスケジュールで進みます。
今年の場合は、10月26日までに審査申請書を提出。この時点で最低限、査読つき論文が受理されていなければなりません(その他、口頭発表、報告書類など、どのような業績が必要かの基準があります)。この後、11月15日に中間審査です。従って、遅くとも博士課程2年の10月までには論文を投稿して、1年以内に受理まで持っていかなければなりません。もし博士課程に進学してからの研究内容で投稿しようとしたら、1年間で得たデータで書くことになります。もしフィールドが異常気象でうまく調査できなかったら終わりですね(私なんか2年も異常気象に見舞われました)。
だいたい、フィールド系以外の理工系は3年で学位を取れなければ無能とみなす傾向があります。むしろ2年でもOKというところも増えている現在、フィールド系の学生さんは、とても不利になります。私みたいに5年もかけて学位論文書いても「何でそんなにかかったの?」と言われるだけです。
5月10日のブログで書いたように、私の時は中間審査なんてなかったし、そもそも私の指導教官が「就職が決まるまでは学位は取らない方がよい」というかなり独自の考え方をされていたので、「学位を条件に採用」と内定先から11月に言われてようやく、それまで半年積んでおかれた草稿を読んでもらえて、12月から最終稿を書き始めました。そのためにどんなに大変な状況になってしまったかは、ブログに書いた通り。
その時点での国際誌への掲載は、卒論・修論の対象だった多毛類(釣り餌にするゴカイの仲間)については2本ほどありましたが、学位論文の対象だったヤマトシジミ二枚貝)については皆無でした(もちろん、学位取ってから7章分すべてについて各1本、国際誌に載せましたけど)。
私の頃は、そんなでも就職できました。本当にラッキーだったと思います。今は世の中の考え方が変わっているようなので、陸水研で博士号を取得したいと考えている学生さんは、卒論か修論を必ず投稿するようにしてくださいね。