地理学者(1)

今日は、来年3月付で博士号取得を目指す学生さんの、中間審査でした。陸水研博士課程3年のT君はと言えば、博士論文の執筆に「ようやく」とりかかったところ(それでも、博士課程に5年もいた私よりはずっと早い。。。^^;)。
という事情で、私はdiffenceしないで済む分、気楽でした。
T君のテーマは河川水中主要イオン濃度で、これまで私が取り組んだことの無い分野です。修士2年も全員が水中の主要イオンについて研究しているので、指導教官が何も知らないのではお話になりませんから、ここ半年は、この方面の教科書やら内外の論文を読みまくってました。
専門で取り組んだことはありませんが、水の研究をやっていると、長期的にどういうイオンが増えて、どういうイオンが減っている位の情報はどこからともなく入ってきます。そういうトレンド情報と、学生さん達のsmall scaleな話を合わせると、結構面白い構造が見えてきました。そのアイディアをT君に話したら、さすがD3だけあって彼にも即座に構造が見えたらしく、へえ、そんなデータが眠ってたの?みたいな文献を発掘してきたり、それらを使って「さすが地理」の分布図を作成したりして、構造のビジャライズが完成しつつあります。あとは○○年前の○○○○の復元だけですね(○は企業秘密 ^^)。
「化学屋さんって面白いですねえ。せっかく日本全国で水質を分析しても、まず精度を気にして、その次に平均とか最大・最小を出して、それで満足なんですね。なんでそういう分布になるのかまで考えようとしない。」
うんうん、あなたは立派な地理学者ですよ。今度フェルメール肖像画を描いてもらいましょ〜ね(←この文章の解説は明日!)