理工系の才能と英語力は別物

学位審査の資格に、国際誌に○本以上という基準のある大学が、理工系では多いと思います。私はかねがね、これってどういう意味があるの?と思っています。日本語で国内誌に投稿したものだけでは不十分って、その国内誌に失礼な気がしますし。
たとえばアメリカの大学で「スペイン語の雑誌に○本以上」なんて課したら、理工系の才能プラス語学の才能が必要になるのは明らかなのに、単に英語が共通語だから、理工系の才能を測るのに英語の論文も必要なんて、私には全く納得いきません。
とはいえ、そういう規則になっているからには蟷螂の斧を振り上げても仕方ないので、最近は自分が今まで出していた国際誌以外の情報収集に務めています。基準は、査読が早いこと。修士論文がそのまま国際誌に載ればいいのですが、たいていはその後の研究を加えて投稿することになります。博士課程3年で終了しようと思えば、3年目の9月以前に国際誌がないと提出資格が得られません。2年の9月に投稿して、1年以上査読にかかったらアウトということになります。
知人のA先生の研究室は、日本人学生よりも留学生の方が多く、その大半が国費など年限つきで来ているので、必ず3年で終了させねばなりません。ですのでA先生にとっても、彼らが来て2年くらいで投稿させて、半年以内に受理されることが必要条件になっていて、投稿先選びは大変なのだそうです。
何か、本質からずれているような気がします。