私は柏キャンパスにある自然環境学専攻の教員なのですが、この専攻は旧理学部地理学教室(現、地球惑星専攻)の教員も兼ねている関係から、来年度の巡検も担当することになって、早くもシラバスを作るよう依頼がありました。大方は主を務める地球惑星プロパーの教員の方に作っていただいたのですが、今回は関東地方の川を上流から海まで巡検しようということになっていたので、彼が参考書としてあげた「湖沼調査法」だけでは不十分だと思い、「せめてWetzelのLimnologyくらいは挙げておいたら?」と勧めたら「今の学部3年を、あなたの頃の学部3年と同じレベルと思わない方がいい」との回答。日本語であること、地形学さえ全く白紙と思った方がよいと言われ、散々迷ったあげく、「です・ます」調で書かれていて、私が学部3年の頃の前期に地形学や第四紀学などで習っていたようなことが優しく解説されている「流域学事典」を参考書としました。
- 作者: 新谷融,黒木幹男
- 出版社/メーカー: 北海道大学出版会
- 発売日: 2006/07/25
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
来年度は夏休みの実習、冬学期の講義を通じて学部3年生の東大生の現状を観察できるわけで、それはそれで楽しみです。
(追伸)
このブログの閲覧数が、いつのまにか30000を越えていました。思いがけずたくさんの方々に読んでいただけて、大変嬉しく思っています。現役の陸水研メンバー、そして将来の陸水研メンバーと、主に学生さんを読者に想定して書いているのですが、それ以外の方もおられることがメールでのご連絡から分かり、恐縮することも度々です。逆に、陸水研に行くとこのブログの話のネタにされると、学生さんのリクルートにはかえって逆効果になってないかと、心配になるこの頃です。。。