そうだったんだ。。。

昨日は産総研のS先生・Y先生の主催で、アナモックス型脱窒に関する内輪の勉強会がありました。同位体比のミクロな分画、細菌の遺伝子解析など、日常では得にくい情報満載で、7時間があっという間でした。
中でも満「へ〜!」ものだったのが、緑濃菌による脱窒の話題。この菌は人間の体内にも普通にいて、バイオフィルムを形成しているそうです。バイオフィルムなんて、アマモ場の根元の藻類カーペットみたいなものしかイメージしていなかったので、体内にバイオフィルム(それも環境によってマッシュルーム状になったり網目状になったりする)を形成するなんて、ビックリ!さらに驚いたことに緑濃菌は、周辺の酸素濃度によって、呼吸と脱窒を使い分けているんだそうです。言われてみれば、体内なんて好気的な環境より、どちらかというと嫌気的な環境の方がおおいでしょうし、消化管では窒素の供給も盛んでしょうし(ジュゴンの腸の同位体を測ろうとして、そのアンモニア臭の強烈だったことを思い出しました)、脱窒していても全然不思議はないのですが。。。
陸水研でアナモックスをテーマにしているM1のT君は、学部の時に活性汚泥での脱窒反応が基盤の形でどう変わるかを卒論のテーマにしていました。その彼に「自然環境でも脱窒が起こっているって知ってる?」と尋ねたら「え?そうなんですか???」この驚きが、フィールドでのアナモックス活性を調べている今のT君の原点になったわけです。
ある分野で「当たり前」とされていることが別の分野では全く知られていないことは了解しているつもりでしたが、今回は自分が医学分野での常識を全く知らなかったことに、改めて気づきました。