浴室のお掃除

土曜は入試説明会で家事ができなかった分、日曜は浴室の掃除とか、娘とのお買い物などを楽しみました。
もともと私は研究者になりたくて研究始めたのではなく、環境問題の解決に少しでも役立ちたいというのが動機だったこともあり、研究同様、家事の時間はとても大切です。江戸時代は環境に優しいリサイクル社会だったと言われますが、それは江戸時代の人々が環境意識が高かったわけではなく、人々が普通に行う生活の営みそのものがエコだったわけです。そんな生活は戦後もしばらくは残っていて、私が子供の頃の母方の実家では、台所からの水は一端池に入って、そこで有機物は鯉なんかが食べてから川に出ていってました。各戸にあったそんな池が、川の富栄養化を防いでいたのだろうと思います。
今は掃除、洗濯、皿洗い全てに化学物質が使われていて、ど〜したものかと思います。何とか、普通に家事をしていて、水環境に負担をかけないようにできないか。毎日の家事はその試行錯誤なので、私にはとても大切な時間です。産総研から大学に転職したら、通勤時間が片道50分も増えて、その分家事や無農薬無化学肥料の家庭菜園を楽しむ時間が減ってしまったのが残念です。
さて、家事で一番悩ましいのが、浴室のカビ。市販のカビ取り剤って、化学物質に弱い娘がいる私には、恐くてとても使えるものではありません。かといって、日頃、台所洗剤やシャンプー代わりに使っている、米のとぎ汁を発酵させたバイオフレンズ(後述)だけではなかなか落ちなくなってきました。
ど〜したものかと悩んでいたら、新聞の家庭欄で、磨き粉代わりに歯磨き粉、タイルの目地には砂消しゴムがよいとあり、これいけそう!と試してみました。
結果、砂消しゴム、効きました!歯磨き粉は口にいれるものですから、カビ取り剤よりは環境への負荷は少ないと思われますが、カビの落ちはバイオフレンズだけよりはるかに高くなりました。バイオフレンズは糠床のような匂いがするのが難だったのですが、歯磨き粉のミントの匂いで、その難もカバーされました。こんな風に、家事のノーハウが少しづつ蓄積していくのは、研究に負けず劣らず楽しいです。
で、「バイオフレンズ」ですが、世間では「えひめAI-2」として知られているものとほぼ同じですが、家庭にある食材からこういう菌を培養することを思いついたのは、元産業技術総合研究所の研究員だった松崎早苗さんが先だったと思われます。たとえば2005年のエントロピー学会誌54号で松崎早苗さんが「生きている常在菌(バイオフレンズ)利用の環境的意味」との論文でその意義を検討しています。
上記のリンクで書かれた「えひめAI-2」の作り方より、松崎さんが考えた方法の方が、ややイージーにできます(保温不要)。また先述のように糠床のような匂いがする場合がありますので、私たちは好みで、一緒にハーブをつけこんで「マイ・バイオフレンズ」を楽しんでいます。私はコニファーの葉を入れていたのですが、大きくなり過ぎて切ってしまってから好みの植物を決めかねていて、糠床臭だけが目立っているのです。。。