飛行時間

8月30日の記事で「産総研の知人の同じ型式のマスは、29日未明の停電でターボポンプが故障して復旧の目処が立っていない」と書きました。
実はターボポンプではなくロータリーポンプが故障していたと分かり、今日(9月1日)、無事復旧したそうです。
私も以前に同様のことを、産総研の他の研究者と共同で使っていたマスで経験しました。学生さんの安定同位体比分析でお世話になっているK先生からも、ロータリーポンプはしっかり見ておくべきとのメールをいただきました。こういうのって、K先生いわく、飛行時間みたいなものなんだそうです。トラブルに巻き込まれる(=勉強になる)確率は、マスとつきあう時間が長くなるほど、当然高くなる。
私は就職してすぐ、ガラスラインで窒素と二酸化炭素を精製していた頃に安定同位体比の測定技術をM先生から教えていただきました。その翌年には職場で共同の質量分析計が入り、現在は主流になっているコンフロー−元素分析計システムのちょっと前に作られたトラッピングボックスシステムを導入して、どうやったらきちんと測れるのか、約1年間、技術者の方と試行錯誤をしました(結局、これは使えないとの結論になりコンフローシステムにしましたが、あの1年は相当勉強になりました ^^;)。さらにその翌年には私専用のマスを買っていただき、雷が鳴るたびに駆けつけなくてはならなくなりましたが、バルクの分析については自信を持っていられるようになりました。
学生さんには修業期間中にそんな体験をしてもらたいのですが、産総研ではなく大学にないとむずかしいです。何とかならないかと、いつも思っています。