自主ゼミ分析講習会

陸水研ではイオンクロマトグラフ、全有機炭素計、全窒素計と3種類の精密分析機器が動いています(ガスクロマトグラフィーも動いていませんが存在します)。機器分析の実際や装置の保守を在学中に経験しておくことは、どんな分野に進んでも、相手が出しているデータの信頼性を見抜くきっかけになるなど、きっと役立ちます。修論研究を進める上でも、たった1種類の分析だけで何かを解明しようと頑張るよりは、いろんな測定をして総合的に検討する方が真実が見えやすいはずです。
それで今年度のM1には上記それぞれの装置の担当者になってもらい、学生さん達が自主ゼミの形で使用法の講習を行っています。誰かが装置をメンテしていてくれれば、これも測ってみようと、気軽に考えることができるでしょう。これまではイオンクロでしか見てこなかった渓流水、TNやTOCも同時に見たら面白いんじゃないかしら。
ちなみに私はD2から海洋研に移って、地理ではできない分析を教えてもらいました。D5で卒業するまでの4年間に、塩素・酸素の滴定(ピストンビュレットという、フィールドにも持って行ける優れもののビュレットを使いました)、クロロフィルの蛍光分析、DAPIによるバクテリアのカウント、比色とその応用としてのオートアナライザーによる栄養塩分析、TN分析、CHN計による分析、辻法による植物プランクトンの計数(蛍光顕微鏡を使用)などを習得して、フィールド観測や疑似現場実験で得たサンプルを分析しました。私は文科3類から地理に進学したので理系用の学生実験は経験していません。それでも、D2で初めて分析を始めて、4年で上記を習得することは可能です。
3年目に入った陸水研は、これまで以上に分析を重視しようと思います(「答えはすべて現場にある」という鉄則は当然のこととして)。進学を検討している学生さんは、経験の有無は問いませんが、当面役立つ役立たないに関わらず何らかの分析を習得することをリクエストされると思ってトライしてください。