「攻めの30歳 複線キャリアの作り方」という新聞広告の見出しに引かれて、日経キャリアマガジン8月号(2009年)を読んでみました。日経の転職サイトとリンクしている雑誌のようです。
冒頭の記事「先輩!仕事ってなんですか? 土田晃之(芸人)」の、「お笑い芸人は究極の自営業、自己プロデュースがモノをいう」という見出しが印象に残りました。
続いて連載が2つ。「山崎元 マネー×キャリア」の今回のタイトルは「悪化する雇用環境下でのサバイバル戦略とは」。その第一の心得として「正社員の立場を常に確保せよ」。世間の常識は、やっぱりそうですよね。そんな中、ポスドク=契約社員に就くのも大変な今の博士号取得者は、社会的にすごく不利だと、改めて実感。
「本田直之 人材×キャリア」は「勝ち馬を狙え 若いうちの成功体験が自信を生む」。「若いうちは、伸びている業界や勢いのある会社で働くのがいい。頑張ったら成果が上がり、また頑張ったら成功できた、という成功体験を積めば、自分に自信がつくし、仕事へのやる気も湧いてくる」ポスドクで言えば、その分野で一番アクティビティの高いところ、かつ予算をコンスタントに取ってくるところで修行せよ、というところでしょうか。
そして特集「攻めの30歳 複線キャリアの作り方」いくつかの「〜編」に分けてポイントを解説しているので、読みやすいと思いました。
「心構え」編では「今いる業界や仕事の全体像を把握するべし!!」研究分野では特に、専門に特化しすぎていて、全体を見渡すのを怠りがちです。ポスドクさんは必ずしも自分が今やっているところとドンピシャの分野に就職できるわけではありませんから、自分がやっている分野の全体をとらえ、次のポストの全体も見渡すようにすれば、どこかに接点が見つかって、1本のキャリアに統合できるのではないでしょうか。
「時間」編では、「10分聞いていても言っていることが全然分からない人と、同じ内容を1分でしゃべる人がいる」という経験が紹介されます。私自身も、話の長い人は基本的に信用しません。本当に忙しい状況におよそ陥ったことのない、お気楽な方なんだろうと思ってしまって。たぶんビジネスの世界では、もっとシビアにそう思われるのだろうと思いました。実際、この「時間」編の最後は「1つの仕事は2分間で解決するべし!!」で終わっています。「2分間で物事を処理できれば、複数のことを同時並行できます。瞬間的に切り替えて、2分以内で解決するんです」「2分経ったら人に相談するのも判断のうち。30秒では『もうちょっと考えろ』だし、30分では『もっと早く相談しろ』となる。」私は日頃からポスドクさんに、ひとつの仕事は1時間以上かけるな、毎日10個以上の仕事を平行して進めろと指導し、また、あらぬ方向に行ってしまう前に、早め早めに相談しなさいとも言っています。しかしさすがに2分、というスパンまで短く考えたことはありませんでした。研究とビジネスの違いはあるかと思いますが、まだまだ仕事人として甘いところがあったと反省しました。
最後の「目標設定」編の、さらに最後のタイトルが「一生を費やすほどの大きくてゆる〜いテーマを掲げるべし!!」あなたはなぜ研究職に就きたいのですか?