私たちは「脳脊髄液減少症」であって、「低髄液圧症候群」ではありません

3月7日付記事で、日本脳神経外傷学会が脳脊髄液減少症の存在を認めたとする報道をお伝えしました。しかし患者23人中4人しか認定されてなかったということです。あまりに少ないので、この学会のホームページを確認すると、
○「頭部外傷に伴う低髄液圧症候群」作業部会 報告 神経外傷 第30巻 第1号別冊
○外傷に伴う低髄液圧症候群診断のフローチャート低髄液圧症候群の診断基準
が公開されていました。
後者は「頭部外傷に伴う低髄液圧症候群」の診断基準に関する報告と、外傷に伴う低髄液圧症候群診断のフローチャートで4ページにまとめられています。
http://www.neurotraumatology.jp/pdf/neurotrauma_report.pdf
なぜこの学会で、4人しか患者として認められないという結果になったか、この4ページを見るだけで明らかです。彼らは「腰椎穿刺にて低髄液圧(60mmH2O 以下)の証明」が診断基準となる「低髄液圧症候群」のみを認定していたからです。現在、社会問題化しているのは、髄液圧が下がらない程度も含む髄液漏れによって、様々な健康被害が起こっている「脳脊髄液減少症」です。
この4ページの文書の中には、彼らだどのように作業を進めたか日程表が掲載されています。作業部会が最初にやったことが「社会的な係争などに関する実態を見聞すべく損害保険料率算出機構(東京)を訪問」とあるところからも、この学会のスタンスが分かるような気がします。
患者が求めているのは、「脳脊髄液減少症の保険認定と実態解明」であって、「低髄液圧症候群」ではありません。
この一線だけは崩してはならないと思います。