8月17日付け、表記京都新聞の記事を村瀬先生から送って頂きました。
下記に写真として貼り付けますが、読みにくいと思いますので、要所を抜粋します。
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村瀬准教授は、東京大薬学部と大学院で清水博教授(現名誉教授)の指導を受け、計算機を使って生命現象を説明する最先端の研究に取り組んだ。東京都老人総合研究所では老化をテーマにした。世界ではDNA末端の「テロメア」の短縮による「細胞老化」など新たな展開があったが、「いろいろなメカニズムがある老化を、どのように表現したら
よいのか悩んだ」という。
1992年に京都大基礎物理学研究所に赴任し、ダーウィンの「種の起源」をはじめ、さまざまな進化論を読み込み、細胞や分子レベルにも進化論が展開できることを思いついた。「進化も老化もがんも同じ指導原理で説明できるのでは。それが生命の本質ではないか」と考え、多様で複髄な生命現象を包括的に記述する「メタ生物学」に挑んだ。2000年には、生命のとらえ方を自らの思索の軌跡とともに論考した著書「歴史としての生命-自己・非自己循環理論の構築」(京都大学出版会)を出版した.
もう一つの研究の転機が、21世紀に入ったころに訪れた。自宅の新建材が原因でかかった「シックハウス症候群だ。人体に影響ないはずの低濃度の化学物質で体を壊し、
精神的にも追い込まれた。現代科学の限界を身を持って体験し、以来、現代科学の「思い込み」から脱し、化学物質や電磁波の生体影響など「不確かな」事象にも切り込んでいく。
「ユングも精神障害を克服して精神を研究した。薬学を学び、化学物質を扱うプロで
あるはずの私もシックハウス症候群になるのが現代科学。科学者の責任として、自らの体験を基に生命や科学の本質を伝えていきたい」
新しい方法論を探る取り組みとして、来年1 0月に京大国際フォーラム「新たな統合の世紀に向けて」を開く。
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文中にはさらっと「精神的にも追い込まれた」とありますが、研究者として様々な可能性がようやく開かれた頃に、「気のせい」とされてしまう病気にかかってしまったことの悔しさは、言葉で書き尽くされるものではありません。
そんな村瀬先生が主宰される国際フォーラムには、是非勉強に行きたいと思っています。