医学・医療系のための生物学の基礎知識−生命の誕生・くすり・再生医療まで−

著者が医学部と歯学部に入学した一、二年生を対象に「新薬開発から再生医療まで」という医学入門の講義を行ってきた内容を中心に、わかりやすくまとめたものが本書です。医学系を受験する学生は物理・化学を選択することが多く、生物を選択しなかった学生が、実は多いのです。そんな学生達に生物学の根本である「生きているって、どういうことなのだろう?」「健康とは?病気とは?を科学的にどう説明できるのだろう」などの根本的なことを、幅広い視野で考えてもらうことを目的としています。
ですので、大学受験で生物を選択していなかった学生でも理解できるように、とても分かりやすい文章と図で基本から応用まで解説されています。
特に遺伝子に関する基本の解説を踏まえて、タンパク質の重要性、遺伝子・タンパク質と病気との関係が説明されているので、全くの初心者でもこれら最近分かってきた知見が理解できます。
今や日本のテレビ番組や広告は、健康に関する情報で満ちあふれています。一般の生物学の教科書と比べて、特に人間の病気・健康を念頭に置いて解説されたこの本は、一般の方々の関心の方向にも合致していると思います。