化学物質過敏症支援センターのニュースレター「CS支援」57号に、「プラスチック・合成樹脂からのCS物質」という解説記事がありました。著者は、私の記憶が正しければ、元産総研職員の方で、杉並病患者です。
科学者らしく、図表を使って、どのようなタイプの物質がどのような製品に含まれているか、またそれが環境中にはどのような大きさでどのくらいの量がでてくるかなどを分かりやすく解説しています。加えて、患者ならではの記載ではないかと感じる文章もありました。例えば
「衣類や夜具の繊維の種類に気をつけましょう。100%木綿であってもフワフワに起毛してある材料では、起毛剤が猛毒です。撥水剤も危険です。合成繊維製品でも、種類を選べば害は余りありませんし、反対に無農薬栽培の木綿繊維であっても混紡や加工の種類によっては危険です。」
合成繊維でも害はあまりない、無農薬栽培の木綿でも危険という、通常とは逆のこの記載は、著者が「危険」を感じる体験をしたからこそ指摘できるのではないかと思います。
「衣類やソファー、ベッドなどでは、脱ぎ着や立ち上がりなどの動作のときに反応ガスが発生するので、静止した状態で発生ガスを調べても役にたちません。」
という文章もありました。
CSを気のせいにする医師はまだ多いそうですが、気のせいだったら、このような感じ方はしないのではないでしょうか。CS患者は、発症していない人には感知できない濃度の化学物質にも反応する、と解釈する方が、「気のせい」よりも妥当だと思います。