化学物質過敏症支援センターのニュースレター「CS支援」64号に、11月12・13日に千葉大学・相の葉キャンパスで開催された「第20回日本臨床環境医学会学術集会報告」として、平久美子先生(東京女子医科大学東医療センター)のご講演「ネオニコチノイド系殺虫剤のヒトへの影響」が紹介されていました。
ネオニコチノイド系殺虫剤は、近年世界的に使用が増加しています。ニコチンと同じような作用をもつもので、これまでの有機リン農薬に代わって出てきたものです。
ネオニコチノイド系殺虫剤のうち、2010年度に最も国内使用量が多かったのはアセタミプリドです。アセタミプリドは体内に蓄積しやすく、24時間たっても13%しか排出されません。散布されると数日間広い範囲に浮遊し、風で運ばれ、環境内にも蓄積しやすい農薬です。
近隣で散布されて暴露すると、2〜3日後に心悸亢進や不安感などの症状が出てくるそうです。また子どもでは記憶障害や全身倦怠からガクンと成績がさがるなどがみられたそうです。
「化学物質が危ないなんて、過去の話。今では農薬も安全なものに代わっている」との見解を聞くことがありますが、新しい物ほど安全とは言えないようです。