吉日

いよいよ本格的にスギ花粉が飛び始めて、午前は掃除機がけだけでへばっていました。午後は空気清浄機フル稼働の自室にこもって仕事。大変なシーズンの幕開けになってしまいましたが、よい知らせがふたつもありました。
ひとつは、次の行き先がまだ決まっていなかったPDのT君が某所に内定したらしいとの知らせ。もう1つは、年末に学術会議に提案した大型研究計画「水資源環境技術研究所設立」が、まだ残っているとの知らせ。
水資源環境技術研究所の概略は「東京大学環境報告書 2010」の35ページに記した下記で、今年度はありがたいことに、環境系の若手の先生方を中心に強力なご支援をいただいて、「水資源環境セミナー」を8回開催しました。当初はセンター程度を考えていたのですが、セミナーを進めるうちに、研究所レベルが必要と考えるようになりました。
これから月末まで、学術会議に詳細をご説明する資料作りです。


水資源環境技術研究所がめざすこと
湖沼や河川などの淡水域は、自然環境であるとともに資源です。このため世界の水環境関係の研究所では、科学的な研究と技術開発、両方を実践しています。また学問分野でいうと生態学・生物地球化学・水産・遺伝・公衆衛生など幅広い分野を有して総合的な取り組みを展開しています。これに対し日本では、資源としての水を対象に技術開発も合わせて総合的に教育研究を行う機関は、今のところ存在しません。
今回提案している「水資源環境技術研究センター」は、現象やメカニズム解明を主とする理学系と問題解決を主とする工学系との協調体制に加え、国際政治学など人文系の学問分野も内包して研究・教育を展開するなど、本学の研究科の中でも、既に学融合の実績を有する新領域創成科学研究科に最適なテーマです。また、つくば研究学園都市に近い柏キャンパスのメリットをいかし、共同研究、社会人ドクターの受け入れ、学生の指導委託などを通じて、少子高齢化に適応した多様なキャリアパスを展開し、「新しい時代に的確に対応する機関のモデルケースを目指します。