厳しい雇用情勢が続く昨今、陸水学研究を職業にするのも、かなり厳しいです。でも全然道がないかと言えばそうでもなさそうで、12月だけでも大学や自治体研究所の常勤の公募が2件目につきました。博士号取得予定者から30代前半をターゲットにしているのかなぁ、という感じの書きぶりでした。
私の指導教員が、国際誌を「年齢−25」本持っていれば、生き残りゲームに残る資格はあると言っていたと、後輩から聞きました。「年齢−25」ということは、修士論文を博士の1,2年の間に国際誌に受理させて、以後も1年1本ペースということになります。つまり、学位論文が完成してから投稿ではなく、研究を進めながらその都度投稿、です。
私の指導教員の専門は海洋の物質循環ですが、陸水でも同様だと思います。工学系、特に土木系だと基準が違うと聞いていますが、陸水学関係の研究をして、学位取得後も同じ分野で研究を続けたいのでしたら、修論を国際誌に投稿することが最初の関門と考えて下さい。それができなかったら、それでなくても就職が厳しい日本の現状ですから、遅くともD2の11月から一般の就活を始めるようお勧めします。
修士だけで卒業する予定の学生さんにはよく話すのですが、水環境問題の解決は、何も研究者になることだけが唯一の道ではありません。むしろ、そのようなことを意識しない人も含めて、人々の生活が水環境にとって持続的でないと破綻するわけですから、どのような分野に行ってもそこなりの課題があるはずです。
「研究者になる」ことが目的ならそれなりの覚悟と努力が必要で、できなかったらその道は諦めなさい、ということ。そうでなく、環境をよくしたいと漠然と思って進学したのなら、道はいくらでもあります。