世の中に化学物質って、どれくらいあるのでしょう。
化学物質の登録データベースであるChemical Abstractに、2008年11月21日に4000万件目が、2009年9月7日に5000万件目が登録されていました。1年足らずで1000万増えたことになります。例えば広辞苑6版 (2008/1/11)の総項目数24万ですから、化学物質がいかに膨大か分かります。
それらの全てが水に流される訳ではありませんが、たとえ0.1%としても5万物質です。対して、国が定める一律排水基準には、健康項目としてカドミウム、シアンなど27項目、生活環境項目として水素イオン濃度(pH)、生物化学的酸素要求量(BOD)など15項目が設定されているだけです。
欧米では、流入する可能性がある全ての物質について濃度規制は無理との考え方から、排水・環境水の生物影響を、バイオアッセイによって直接測定する試験を行っています。魚やミジンコなどを排水で飼育して、その生物に与える影響から判断するという、総合影響評価です。
各国の排水生物試験の名前は、下記です。
米国….WET(Whole Effluent Toxicity)
カナダ….effluent toxicity test EEM(Environmental Effect Monitoring)
英国、オーストラリア…DAT(Direct Toxicity Assessment)
ヨーロッパ(Oslo and Paris Commission) ….WEA(Whole Effluent Assessment)
ドイツ…..ICE (Integrating Controlling of Effluent)
オランダ….WEER (Whole effluent Environmental Risk)
日本でもこのような生物試験の導入が考えられていて、モデルとして米国のWETを検討していることから、WETという言葉が行き交っています。でもWETをそのまま日本語にしたら、なんだか湿っぽいですよね。。。という趣旨の失言をしてしまって、ならば日本ではどういう名称がいいか考えなさい、という宿題を与えられてしまいました。
今日の委員会で「水生生物健全性試験」とか「水生生物健全度テスト」を提案しましたら、「それは違うでしょう。生物の健全度ではなく、水の健全度なんですから」と指摘されました。確かに。でも「生物を用いた水の健全性試験」とか、ちょっと長ったらしいかも。「Japan Aquatic Bioassay system」=略称「J-ABIS」もしくは「ABIS」という提案もありました。この制度は是非とも普及してほしいので、エコポイントのように、国民がふつ〜に使われるような名称がいいなと思います。
思いつかれたら、是非教えてください。