巨樹−その種類と特徴

植生史研究21巻1号に「日本と朝鮮半島の巨樹−樹種にまつわる伝承の比較」との論文が掲載されていました。大きい樹って、言葉を超えた何かが伝わってくるようで、学生の頃はよく巨樹を見に行ってました。
比較されたのは日本が「大日本老樹名木誌」(著者は本多静六先生。さすが!)、朝鮮半島が「朝鮮巨樹老樹名木誌」。
日本で掲載本数が多い樹種は、多い順にマツ、スギ、クスノキケヤキ、サクラ、イチョウ。以下はこの6種について分析しています。それによると樹の所在は「不明」を除くと神社と寺院で圧倒的に多く、また神社にはクスノキ、寺院にサクラが多いそうです。
樹の伝説に見られる特徴として、「安産、子授け」はスギとマツだけに見られ、特にスギでその頻度が高い(理由は不明)。
朝鮮で掲載が多いのは、多い順にケヤキ、エノキ・ムクエノキ、イチョウ、チョウセンアカマツ、ヤチダモ、エンジュ。
朝鮮ではイチョウを「学問の樹」と称することがあることから、儒教関係の施設はイチョウが30本以上あるのに、他の樹種は無いそうです。因みに東大のシンボルもイチョウです(何でだろう?)。
他にも多くの考察がありました。巨樹のファン、必読です。