理不尽な交通殺人

あまりの痛さに整形外科を受診して判明した頸椎椎間板ヘルニア。リリカカプセルとトラムセットの2種類の鎮痛剤を処方されたのですが、リリカカプセルを飲むと起きてられないくらいだるいし、トラムセットも吐き気に加え乗り物酔いが起こると訴えたら、「じゃあ、飲まなければ?」
仕方ないので、痛みで血圧が150を超えたら吐き気をこらえてトラムセットを飲んでいたのですが、これでは遠距離出張にいけないので(実際、3月は大津のASLOのプレシンポジウムとロンドンのPlanet Under Pressureをキャンセル)、藁をもすがる思いで、脳脊髄液減少症の主治医の先生(脳神経外科)に診ていただきました。
つくばの総合病院で撮ったMRIを見ていただいたところ、リスクを考えると、この状態であれば鎮痛剤でしのぐのがよいとのことでした。トラムセットは吐き気止めを処方するのが普通なのだそうで、プリンペランをいただきました。2007年の頸椎ブラッドパッチ後に頂いたモーラステープも、処方いただきました(有効成分はケトプロフェン)。
「先生、あとこれ(=首の痛み)だけです。脳脊髄液減少症はたぶん完治したので、これさえ何とかなれば。事故から15年かかりましたけど。」
「そうですね。」と笑顔で答えていただけるのが、本当にありがたい。
「どうしても痛む時はブロック注射という手もありますよ。試してみますか。」と4箇所注射してもらいました。これは劇的に効いて、24時間でしたが、痛みが全く無い状態を15年ぶりに満喫しました。体に痛みがないと、驚くくらい世界が違って見えました。
先方の不注意で追突された、37歳の時の交通事故。失ったものははかりしれないのですが、生きている限り諦めないでいることはできます。命さえ奪われた方の無念さを思うと、早く回復して、できる限りのことをしたい。
もともと文系だった私は、社会の理不尽さをどう解決するのか考え抜いた末、理学部に進学しました。特定の学問に貢献する為ではなく、合理的な思考と手段によって、社会の理不尽な現象を少しでも減らすためです。対象は今のところ主に水環境ですが、いつかは理不尽な交通殺人の減少にも、直接貢献したいと思っています。
京都で起こった交通殺人で犠牲になった方々の、ご冥福をお祈りして。