アサザが水質浄化するとのシツコイ誤解

アサザには水質浄化作用がある」との誤解はいまだ根強く、その根拠として引かれるのが、元生態学会会長であり、今でも環境関連の各種委員を務める鷲谷いづみ氏が「よみがえれアサザ咲く水辺」という本に書いた内容です。植物学ではなく「生態学」という、系として環境を扱う学問の会長を務める方がこのようなデマを広めたことは、大変残念に思います。
先日の水環境学会のシンポジウムで菊池先生に「EM菌もそうですが、専門家とされる方がニセ科学を広めてしまったらどうすればいいのでしょう。」と質問したところ、それは議論するしかないでしょう、とのことでした。
鷲谷氏の場合、さすがにあれはまずかった。。と今は考えていると思いますが、「間違っていました」というために本を書くなどありえませんから、やはり誰かが、どこがどう間違っているのか、きちんと示す必要があるでしょう。水域をよくしたいという善意が、かえって環境を破壊しないために。
それで、水環境学会シンポジウムの講演に使ったパワーポイントを少し修正して、PDFにしたものを公開します。「水質を浄化するためにビオトープアサザを植えなさい」といった指示があったら、これを参照してもらってください(実際、絶滅危惧種を育てていたビオトープアサザを植えろとの命令があり、その絶滅危惧種が消えてしまった例を聞いています)。
水環境学会シンポジウム2012公開用.pdf 直