ネオニコチノイド農薬による生態系攪乱

日本でネオニコチノイドが使用され始めた時期と、ある現象が一致していることから、ネオニコチノイドのサーチを始めています。昨日たまたま読んだ「美味しんぼ」105巻は、大半をネオニコチノイド問題に当てていました。分かりやすい解説だと思います。

美味しんぼ 105 (ビッグコミックス)

美味しんぼ 105 (ビッグコミックス)

ネオニコチノイド農薬が使われるようになって、世界中でミツバチの大量死が起こっています。ネオニコチノイドは神経毒なので、次世代にわずかに影響しただけで、社会性昆虫であるミツバチは巣に帰ってこれなくなり、コロニーが崩壊してしまうのです。
ネオニコチノイド農薬によるミツバチの大量死は学術的にも確認されていることです(例えば最近のNatureの記事 Gill et al. Combined pesticide exposure severely affects individual- and colony-level traits in bees. doi:10.1038/nature11585やその引用文献)
美味しんぼ」ではミツバチ以外の昆虫や人間への影響にも言及していて、岩波新書アルツハイマー病」の著者とおぼしき人物が、なぜ人間にも影響するか解説していました。
仮に影響がミツバチに限られるとしても、ミツバチによって受粉する植物は子孫を残せなくなります。実際、世界各地でミツバチに受粉を頼る農作物が打撃を受けました。このためフランスなどではネオニコチノイド農薬の規制が進んでいます。世界での被害状況や規制については、下記の本に解説されています。日本での規制が遅れている現状も記されています。
新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす―もうひとつの安全神話

新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす―もうひとつの安全神話