岩波写真文庫

岩波写真文庫」は、岩波書店が1950年代に出版していた白黒写真集です。高度経済成長期に日本が激変する以前の様子をうかがうことができます。

「91松江」(1953年発行)では松江城のお堀に水草が生えていました。宍道湖湖岸を様々に映していましたが、既に護岸されていて、それが街並みにしっくり合っていました。ヨシ帯は、もちろんありませんでした。

「230島根県」(1957年発行)にも宍道湖湖岸が映っていました。砂浜です。ダムがなかった斐伊川が運ぶ、圧倒的な土砂量も写真でよく表現されていました。

戦後すぐに米軍が撮影した写真では、霞ヶ浦にも宍道湖にも抽水植物はほとんどありませんでした(もちろん浮遊植物は皆無に近い状態でした)。学生さんがそう発表すると、「1回の写真では断言できない」との意見を頂くことがあるので、こういった古い写真を少しづつ集めています。