「寒藻」の正体はエビモかも

9月15日記事で、1950年代半ばに霞ヶ浦で急激に沈水植物が衰退する以前は「寒藻」と呼んでいた、10月くらいから生えて6月頃に実がなる種類があったらしいとご紹介しました。
これについて知人から、「夏期休眠の淡水性沈水植物ということであれば,ヒルムシロ科のエビモの可能性が高いと思います。」との情報を頂きました。
エビモは流水環境では通年にわたって繁茂するのに対し、止水域環境では夏期休眠をするそうです。その場合、初夏に殖芽を形成・散布し、水中の植物体は枯死。秋に再び植物体を生長させます。「6月頃に実がなる」については、ヒシのような大形の果実を形成する植物ならいざ知らず、通常の水草の小さな果実を地元の方が認識しているとは思えないので、「殖芽」を「実」と誤認している可能性が高いのではないか、とのことでした。

エビモの殖芽は非常に特殊な形態をしているということで、下記URLのFig.6左下の物体がよく発達した殖芽だそうです(Fig.5は生長が悪くて典型的ではありませんとのことでした)。
http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/chinsui/a_gyou/ebimo/ebimo.html