明日から佐賀

明日は佐賀に移動します。
かつて有明海に関わる環境省の委員を務めていて、干上がったばかりの諫早干拓地を視察しました。累々と続く白い点は、死んだ二枚貝の殻でした。何が起こっているのか世界に伝えてもらいたくて、友人でLOICZ科学委員長だったNewton博士に視察してもらいました。
http://www.oa.u-tokyo.ac.jp/rashimban/network/cat63/post-33.php
その諫早の開門調査の影響評価が公開されたと、佐賀の知人から教えていただきました。
http://www.maff.go.jp/kyusyu/seibibu/isahaya/assess06.html
一度人間が攪乱した自然は、本来の意味では決して元に戻ることはないと思います。それは例えば、8月23日付記事で紹介した沈水植物。人間が流してきた栄養物質が湖底に蓄積した宍道湖では、かつて繁茂していたシャジクモではなく、エビモの仲間がが湖面まで覆っています。シャジクモは湖面まで出てくることはありませんでした。
私は「自然再生」という言葉は、あまり好きではありません。一度壊した自然は決して元には戻らないのに、この言葉はあたかも戻るような印象を与えます。自然は再生できないと思って、人と同じように予防原則を適用すべきなのに、この言葉は極端に言えば「再生できるんだから壊してもいいよ」と解釈する余地を与えている気がします。
そして元に戻そうとする事業(例えば自然再生事業)も、新たな攪乱かもしれない可能性は否定できません。諫早の開門調査の影響評価はそんな視点も踏まえて検討されたのかどうか、機内で確認しようと思います。