水草と塩分

5月に宍道湖で取ってきた雑種ツツイトモを淡水を満たした火鉢水槽にいれておいたら、採ってきた覚えのないヒルムシロ科水草が生えてきて、今日は花がついてました(写真の中央付近)。汽水性の雑種ツツイトモはあっというまに消えたのですが、宍道湖には淡水河川から種子や殖芽が絶えず供給されていて、ツツイトモにひっついてきたものが繁殖したと思われます。
宍道湖ではシオグサと呼ばれる緑藻が異常繁茂していて、「塩分が高いと増える」と根拠レスな主張をする研究者もいるようです。シオグサは淡水の五大湖でも繁茂しているので、塩分が高いと繁茂するとの主張は無知蒙昧です。むしろ塩分が低くなると、淡水種が入ってくることに注意すべきでしょう。
淡水湖沼はナガエツルノゲイトウ、アマゾントチカガミなど、外来の浮葉植物におおわれて大変なことになっています。浮葉植物による酸欠化はシオグサの比ではありません。宍道湖で霞ヶ浦同様の消波堤を造っても霞ヶ浦のように外来浮葉植物が入り込まないのは、ひとえに汽水だからです。アオコも塩分が高いと大発生しません。宍道湖はどれくらいの塩分がよいのか、総合的に考えるべきでしょう。

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