年末に過去10年分の斐伊川河口部水質を検討した結果、どうみても全窒素が減って全リンが上昇してました。それでは源流部ではどうかと、某研究所のKさんが中心となって雨が降ろうが槍が降ろうが、2週間ごとに1年間採水し、同時に降水の水質も調べたデータを検討したところ、やっぱりリン飽和でした。森林からリンがわさわさ流出してるって、もし他でも起こってるとしたら中国でしょうか。文献探さなければ。。。
こういった検討ができるのも、地環研(地方自治体の環境研究所)がしっかりとモニタリングを継続しているからです。島根県の地環研では。1984年から方法を変えずに毎月測ってきた流入河川、宍道湖、中海の水質データがあります。それに加えて、中浦水門や大橋川のフラックス調査、過去3回毎日だったか毎週だったか斐伊川で採水して流入量を正確に測ったデータもあります。
自治体は財政状況が厳しくなると環境研究を切り捨てる方向になりやすく、公害列島時代に地方の環境を守る上で大きく貢献してきた地環研ですが、今でも自らモニタリングしたり研究したりできるのは、もしかしたら10指に満たないかもしれません。
宍道湖の環境を守るために本当に必要な研究ができるのは、大学よりはむしろ職員が県外に移動しない、県の環境機関だと思います。島根県の宝のひとつであるこの研究所が、これからも活躍を続けますように!