クライブ・フィンレイソン著「そして最後にヒトが残った」

「地球に存在した20種以上の人類の仲間のなかで、なぜヒトだけが生き延びることができたのか」。
帯に書いてあった上記を読んで、「そんなの、単なる偶然でしょう。。」と思って中をパラパラ読んだら、著者もそう考えているように見えたので購入して通読しました。ついでに、今後人類がどうなって、一部が生き残るとしたらどういう人達かについても、私と同じ考え方でした。
著者は当初、鳥の生態学を専門としていたようです(オナガイベリア半島にもいること、本書で初めて知りました。かつては東アジアからスペインまで分布していたなんて、驚き!)。また地学に関する見識もかなり有しています。そのためか、現生人類と化石人類とを公平に比較できているように思います。
本書の最後の文章は下記で、まるで黙示録ですが、本書を通読すれば、過去いくたのあいだにヒトとその仲間達の上に起こってきたことであって、現生人類にもいつかは起こることなのだろうと思えてくるのではないかと思います。
「経済が破綻し、社会が崩壊するような、すさまじい混乱が起こるとき、勝ち残るのはまたしてもイノベーターなのだ。その混乱を引き起こしたコンサバティブたちは、皮肉にも、自らの転落を自らの手で歴史に刻み込むことになるだろ。そして進化は、いまだ知られていない方向へ新たな一歩を踏み出すのである。」

そして最後にヒトが残った―ネアンデルタール人と私たちの50万年史

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