茨城県常総市の洪水

昨日10日朝、自宅があるつくばでは強い雨が降ると思えば止む瞬間もあったので、その隙に犬の散歩に行くなどドタバタのうちに8時過ぎに出勤。駅までは傘をさして自転車でも行ける程度の雨でした。
大学に着いてからは明日から2学会連チャンということもあり、これまたバタバタのうちに21時近くまで仕事。22時過ぎに自宅に着いて夕食をとりながらニュースを見て初めて、お隣の常総市が洪水により甚大な被害を受けていたことを知りました。
河川の管理は治水・利水・環境の3つを柱に行われています。このうち、50年や100年に一度の洪水の規模をできるだけ正確に見積もって、被害を出さないようにするのが治水です。それでも近年の気象の変動で、想定外の事態が生じることがあります。
これに対して「環境」の方は、治水ほどシビアに行われていない気がします。「順応的管理」(やってみてダメだったら考え直す、という考え方)と称してアセスメントを行わずに事業を進めてしまうなど、その典型だと思います(霞ヶ浦アサザ植栽事業がそうでした)。アサザ植栽のために消波施設を造り、そのために湖岸がヘドロ化して二枚貝が消滅しても、誰も責任を取りません。治水で計画通りに行かないと、今回のように誰にも分かる被害が生じます。
今後、これまで想定外だった状況に備えるために、治水事業が新たに行われるのは必須と思います。その際、これまで多々見られてきた科学的根拠のない主張、例えば霞ヶ浦では治水工事(=護岸工事)によってアサザや水ヨシが減ったなどという主張で、治水工事に変更を迫るようなことはあってはならないと、泥水に覆われた市街地の映像を見て思いました。