大学による懲戒処分には要注意

知人のブログによると、某大学で40代の准教授を「授業中に不適切な発言をした」として懲戒解雇処分にしたそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160218-00000068-mbsnewsv-soci

その大学では過去にも教授を懲戒免職にしていて、理由は「医師免許がないのに医療行為を行った」ことだったそうです。処分された教授は人事院に不服申し立てを行い、それが認められて免職は取り消しになったそうです。本当に懲戒免職にする理由があったのか、怪しいですよね。詳細は下記に書かれています。
http://d.hatena.ne.jp/m-urabe/20060926

大学というところは、国内法とか世間の常識とはかけ離れた、かつ大学固有というよりさらに下部組織である部局固有の、いわば「村の掟」みたいな暗黙のルールによって物事が決定されるようです。たとえば私が所属する専攻は、私が指導していた学生に対して他の教員を指導教員にするよう強要したり、私が担当する講義のシラバスが学生から見えないようにするなど教育活動の妨害を行っているのですが、どういう規則によってそのような行為を行うのか質問したら、「規則はありません」との回答でした。

こういった組織では、助教、准教授、教授と同じ部局(か近い部局)で長らくいる者が「これが掟」と暗黙のルールを強要しがちです。なので他大学から来た方とか、私のように大学以外の組織からいきなり教授で行ったら、そのカルチャーショックに驚くだけでなく、村の掟ではなく国内法とか世間一般の常識を主張することで、目下巻き込まれているようなハラスメントの対象になるわけです。

村の掟をふりかざすことで自浄作用が働きにくい日本の大学の現状を変えるには、どうすればよいのでしょう。比較的簡単で効果がありそうな改善策は、「自分が卒業した大学だけで過ごして教授にまでなる人間をゼロにする」というルールを、日本の全大学に課することです。これは先進国の一部の大学では既に行われています。卒業した大学の教授にはなれないとしている有名大学もあります。

そもそもいつかブログで書いたように、先進国ではひとつの職場でずっと勤め上げるというのは、そこでしか生きていけなかった、才能の幅の無い気の毒な人間とみなされがちなのです。東大が世界の大学ランキングで残念な順位に終始している理由のひとつが、村の掟を許す閉鎖性にあるように思えてなりません。

(追伸)
専攻によるハラスメントが始まったとき、大学のコンプライアンスとかハラスメント委員会に期待をしましたが、無駄に終わりました。その頃からこのブログに経過を適宜書き始めました。大学というところは、村の掟が国内法とか世間の常識より尊重されることが分かったからです。こういうところでは、専攻が主張する、事実と異なる理由で処分されることも十分あり得ます。それで、そちらが先にマスコミに出て一人歩きしてしまう前に、事実を書くことにしたのでした。