9月13日に秋田県立大学で開催された水環境学会シンポジウムで、私が所属する「身近な生活環境研究委員会」では「いま、身近な水環境へ排出されているもの ― 有害化学物質を中心に ―」というタイトルの講演会を開催しました。全5題のどれもが大変興味深い内容でした。ここでは「埼玉県内における水質事故の発生状況と原因物質の排出要因」の内容を簡単にご紹介します。
埼玉県では毎年210〜280件/年の水質事故が発生します。事故内用を魚斃死、油流出、着色水・濁水、その他(薬品など)に分けた場合、約半分が油流出だそうです。
深刻に感じたのは、魚斃死は6割、油流出は4割、着色水・濁水は5割が、原因不明だったことです。原因が分からない理由は、人手不足が否めないそうです。毎年200件以上あっても、これらは「事故」なので、その調査は通常業務ではないので人員は配置されておらず、事故があるたびに通常業務に加えて調査に当たらねばならないのです。
他府県でも同様の状況と思われますが、それで本当によいのか、再考すべきだと感じました。