ロシアの研究者が水文学の教科書を書いていて、吉村信吉先生の業績を紹介するので写真も一緒に掲載したいからと、私が持っていないか問い合わせがありました。今から70年前、私が生まれる前に亡くなった先生の写真を持っているわけがなく、陸水学会のMLで問い合わせたところ、多くの情報が寄せられました。
その中に、10年前にも欧米の著名な陸水学者から同様の問い合わせがあったので、その際に入手しているとの情報もありました。
10年前といっても、吉村先生が亡くなられて既に60年が経っていたわけです。亡くなって半世紀以上経ってもなお、世界の研究者からその功績は陸水学の教科書に記さねばならないとみなされている吉村先生。これほどの世界的な貢献が吉村先生の時代だけで終わらぬよう、現代の陸水学会会員も、今このときの流行に終始せず、100年先を見通すような研究を心がけていただきたいと思いました。
吉村先生が活躍されていた頃の日本の陸水学の状況について概観した拙著を、下記からフリーでダウンロードできます。吉村先生がまとめた「日本湖沼学文献目録I」の1924〜1937年分も巻末についています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rikusui/68/2/68_2_269/_pdf/-char/ja