オームリがいない!

「オームリ」をWikipediaで検索すると、「ロシア連邦、シベリアのバイカル湖において、比較的多量に生息しているサケ科コレゴヌス属の白身の魚である。 美味、珍味として珍重され、バイカル湖において最も重要な水産種のひとつである。 」と紹介されています。このブログでも「オームリ」で検索すると、2016年の調査でようやく念願かなって食すことができた記事がでてきます。
調査だと学生さんの手料理なのですが、今回は国際会議のためイルクーツク市内のホテルで1週間も滞在するので、心ゆくまでオームリ食べようと思っていました。ところがオームリがどのスーパーでも売っていないのです。聞いたら、昨年から資源が枯渇して厳重に禁漁していて、地元漁師さえ食べることができないとか。同じ国際会議に参加している日本人によると、オームリは成長が遅いので、いったん資源が枯渇すると回復にはかなり時間がかるそうです。
バイカル湖研究の大きな魅力が減ってしまった、というのは冗談ですが、国際会議の初日と2日目の基調講演で、バイカル湖の湖岸の水質が相当富栄養化していること、下水処理場が全く機能していないことを複数の地元研究者が発表していたので、私の役割は終わった感もあります。
質量分析計が故障して未分析サンプルが某大にあるので研究自体はまだ続きますが、日本でやらねばならないことも多くありますし、バイカル湖での現地調査は今回でいったん終了です。次に来るときには、またオームリが普通に食べられるようになっていますように!