朝食をとらないと太りやすくなる、は迷信

人類はもともと狩猟採集で生きてきました。そのライフスタイルを今も残すアフリカのHadzaの食生活を調べたところ、男性は朝食抜きで猟に出かけ、食べるとしても歩きながらベリー類をつまむか、キャンプで蜂蜜を食べるくらいだそうです。キャンプに残る女性も、9時以前に食事することはほとんどないそうです。

この食生活は、特に猟に出て長く歩き回らねばならない男性にとっては、理にかなっています。筑波大学の鍋倉先生は、ランニング練習を朝食前に行うことを推奨されています。それにより脂肪が使われやすい体質になるからです。筋肉に蓄積された糖が不足したらすぐに脂肪が使われる体質であることは、獲物を追い続ける上で極めて有利です。またこのような体質だと太りにくいですから、「朝食を食べないと太りやすくなる」はランニングの科学からも迷信と言えそうです。