入学式にも卒業式にも参加できなかった東大生

東京大学の学位記授与式は,新型コロナ対策のため代表者のみの参加となりました。

上記記事には書かれていませんが、博士の学位授与式に出席する予定だった修了生が学部から東大だった場合、入学式も参加できなかったのでした。
途中で留年していなければ、学部4年、修士2年、博士3年で9年となります。そう、彼らは東日本大震災の影響で式が縮小された年に入学したのでした。私の息子も学部2011年度入学ですが、震度6強の被災地つくばの高校卒だったため、卒業式もありませんでした(式場の体育館も謝恩会のホテルも壊れた)。もしその学生さんが東日本大震災の被災地の高校を卒業していたら、人生で3回、式に出れなかった可能性もあります。

二度も三度もこういった状況になったことを、運が悪いと思うのか危機管理がなっていないと思うのか、どちらなのでしょうね。
以下は2011年4月12日に、当時東京大学総長だった濱田純一氏による祝辞の一部です。
「本年度の入学式は、例年とは大きく異なり、武道館での開催ではなく、この小柴ホールで代表の皆さんだけに集まってもらう、小規模な式典としました。これは言うまでもなく、東日本大震災とその後の状況を考慮したものです。今年は入学式を中止する大学も少なくなく、東京大学もさまざまな可能性を検討してきましたが、最終的に、このような形で実施することとしました。」