無事セッション終了

日本水環境学会では9月に、各研究委員会がセッションを企画する「シンポジウム」という形式の学会を開催しています。今年は今日と明日で、2年続けてのオンライン開催となりました。私が幹事長を務めている汽水域研究委員会のセッションは今日の午前でした。

汽水域_(公社)日本水環境学会

今年のお題は「陸から海へ:淡水・汽水・海水域の独自性と共通性」。冒頭、横浜国立大学名誉教授の中村由行先生に、まさにこのお題で特別講演をしていただきました。実は中村先生は、私が学部生の頃に出入りしていた東大工学部化学工学科で博士論文を書かれていた頃からの知り合いで、当時は淡水湖沼を研究されていました。その後、九大で助教授をされていた頃に私が立ち上げた宍道湖研究プロジェクトに協力していただきたいとお願いし、港湾研に移られてからは海の研究も開始。今回のお題には最適の演者でした。
一般講演は汽水に生息する動植物に関連する講演や、干潟地形の時系列変化、温暖化ガスの発生状況など多岐にわたりました。委員会は28名、今回の学会に参加していない方も多い中、汽水域セッションには最大34名の参加者がありました。委員長も閉会の辞で、「思ったより多く参加いただいた。」と言われていて、幹事長としても満足です。参加下さった方々、ありがとうございました。
ただ、この委員会メンバーはフィールドワークが好きで好きでたまらない方がかなりいて、2019年のシンポジウムで企画した巡検では事前に2泊もして北海道の汽水湖を巡りました。昨年、宮崎で予定されていたシンポジウムでも、オンラインにならなければ有明海から宮崎の感潮河川と、欲張った巡検をするはずでした。
そして巡検後やシンポジウム後の懇親会も、楽しみのひとつでした(むしろこちらが本命だったりして。。)。
大陸にある欧米では河川の勾配が小さく汽水域が100km以上あり、汽水に関わっている研究者はそれほど珍しくありません。それに対して日本の河川は欧米の川からすると下流でも滝並みの勾配で、汽水域はほぼ無いに等しいです。まとまって汽水があるのは潟湖とか、干潟程度でしょうか。そんなマイナーな水域を研究している者の集まりであるためか、汽水域研究委員会のセッションは独特な一体感があるような気がします。
来年こそは対面開催になりますように(巡検と飲み会ができるように ^ ^)!