ネオニコが3000ng/Lを超えていた秋田市水道水

秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランが検出されました。同じ水道水でスルホキサフロルも500ng/L超えでした。似た構造・性質を持つ化学物質による複合曝露が起こっていることになります。共同研究者が県庁への説明とプレスレリースを行いました。

国は水道水の農薬の安全基準(目標値)を「水からの摂取は全体の10%」と想定し、成人男性の体重を使って計算しています。計算の元になるADIという数値はマウスや犬を使った実験で決めています。
私が恐いと思っているのは、こんな濃度の水道水を使って新生児が粉ミルクを飲んでいたら、脳の神経発達に悪影響を及ぼすかもしれないことです。
新生児は100%水道水(粉ミルクを煮沸した水道水で作れば)からネオニコを摂るわけです。そしてADIを決めるのに使う犬やマウスは人と違って、脳神経が未熟な段階で産まれてくるわけではありません。人くらい脳の発達が未熟な状態で産まれてきた場合の神経毒の影響は、犬・マウスでは検証できないと思います。
複合曝露の影響も心配です。
内閣府食品安全委員会は平成18年度(2006年)に「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査」及び「農薬の複合影響評価法に関する文献調査」を実施しました。その上で「食品添加物、農薬ともに、ヒトの摂取レベルは低く、健康影響が生じる可能性は低い。」と結論したそうです。
しかし2021年には「国際的な課題となっている、食品中に含まれる化学物質の複合ばく露による健康影響の評価に関して、性質が類似する化学物質のグルーピング方法、ハザードの特定方法、ばく露量の推定方法などの進展がある。」として、「農薬の複合影響評価法に関する文献調査報告書」をとりまとめ、公表しています。

調査情報詳細

検討した文献にはまさに、飲用水中の農薬の複合曝露に関するWHOの報告書もありました。

私が調べた限り、この知見整理を受けWHOなどが提案している方法で確認した上で、「複合影響が生じる可能性は低い」と結論したとの情報は、ネットにはありませんでした。
8月のネオニコ空中散布でこれだけの濃度が検出されたのですから、田植え期前後に除草剤がまかれる頃にも、水道水から半端ない値で検出されるかもです。除草剤といえば、かつて胆嚢癌の原因となったCNPが思い出されます。秋田ではガンが多いと何かで見た記憶がありますが、水道水が原因かもしれません。