今回の台風は、沖縄・九州を中心に災害をもたらしました。その九州・屋久島の栗生に山村留学している小学5年生の娘とは、毎週日曜に電話で話しています。
今回の台風では、ひとたび停電すると5時間くらいそのままだったそうです。つくばでは、停電があっても瞬停だったので、改めて「電気って大切だよねえ。停電だと何もできなかったよ。」としみじみ話していました。
関東地方に台風が来た今日は、屋久島では雨が上がっていたそうです。「栗生川がきれいだったよ。すごっく透明で、こんなに綺麗なの、初めて。」
栗生は海岸に面した集落で、娘が住んでいるあたりの栗生川は感潮域です。満ち潮の時にはダツが登ってくるくらい。その栗生川が今回の長雨で、いつもより透明になったというのです。洪水といえば川が濁ると教科書的に思っていた私には、この娘の観察は驚きでした。
感潮河川では、塩分の境界で溶存物質も凝集し、また海からも懸濁物が逆流して、濁りの原因になります。でも私の感覚からは、その濁りよりも、豪雨ででてくる水の方が濁度が高いと信じ切っていました。
ところが屋久島では、そうではないようなのです。それは森林が屋久島ほど覆っていると、豪雨はかえって、森林に濾過された水を大量に供給することで、透明度を増すということなのでしょうか。
実は屋久島には、九州最高峰の山があります。あんな小さな島にそんな山があるので、あの島の川の勾配は、本州の多くの川と全く違っています。でもヒマラヤのような造山帯の川は、もしかしたら屋久島のような川なのかもしれません。
屋久島の川をきちんと調査したいという願望が、ますます強くなりました。