陸水学研究室における演習

これまでも演習について何度か書いてきましたが、陸水学研究室での現行の演習は3種類あります。
1.水コロキウム:学生さんによる自主ゼミで単位はつかない。下記、2・3の発表練習という感じ。
2.環境動態学演習(動態ゼミ):地学系の学生さんと教員が合同で行う。隔週。農学系の学生さんではこれに相当するのが生物環境学演習で、各教員が指導学生とでほぼ毎週行っている(ように見える)。内容は学生さんの研究発表。
3.自然環境学演習(専攻ゼミ):自然環境専攻の教員と学生さん全員(海洋研究所におられる教員と学生さんを除く)で毎週行い、内容は学生さんの研究発表。


着任から半年が過ぎ、だいたい、それぞれの内容が分かってきました。そこで来年度からは1.2を統合し、水コロキウムを廃し、環境動態学演習を以下の内容にしたいと思います。


陸水学研究室のみで行い(参加したい他の研究室の学生さんや教員の方が来られるのは歓迎)、研究内容の発表と、関連する最新研究(国際誌)の紹介を交互に行う。
発表者は1回1名で、毎週、自然環境学演習(火曜)の後に行う。
博士課程以上の発表は英語で行う。
参加者は、発表者の内容を完全に理解している時以外は、必ず質問をする。
教員も当番に参加


教員も学生と同じようにゼミに参加するのは、私の指導教官だった前海洋研究所所長・小池勲夫先生のスタイルでした。どんなに忙しくても、自分の当番までに最低5編以上の国際誌を読んでレビューを発表されていました。また所長になっても航海に出て周囲の顰蹙を買うくらい、常に現場におられましたし、先生の実験机は私の横で、たまに私の物品がが侵入すると「そこは僕の実験机だからね。僕だって実験するんだから」と制していたものでした。指導教官の現在進行形の研究状況が、そのまま学生の指導にもなるのだと感じました。

現在の環境動態学演習を地学系全員で行っている理由は、広く総合的な視点を持つ人材を育てるという観点からです。それは自然環境学演習で本来は十分なはずですが、人数が多すぎる(100名前後?)ということから環境動態学演習を地学系教官全員で行うことになったとのことです。

しかし、陸水学は水に関する専門性も求められる学問なので、地学系全員のゼミだと、専門的に突っ込んだ議論を行うのは不可能です。現状では、例えば先週の例では2時間に4名。手持ち30分での発表と質疑応答では、参加する学生全員が質問することもできません。

また、陸水学について全く学んだ事がない学生さんも多く入学しますから、折に触れて、基礎知識の欠落がないか、教員として確認する必要を感じています。

英語は、陸水学で研究者を目指すからには必須です。ですので博士課程からは英語での発表にしたいと思います。

さて、英語については、現M1からやってもらうことを考えました。それは、自然環境学演習の発表において、
1.レジュメの英文要旨を先に私に提出し添削を受ける。
2.留学生や外国人教員用にパワーポイントの英語版を印刷して配布する。
です。さっそく、T君の発表からこれを適用したいと思います。T君の発表はアナモックスですが、ただでさえあまり知られていないこの話を日本語だけでされても、外国人の方にはちんぷんかんぷんでしょうから。

ご意見・ご提案、もしくは、こういうことも環境動態学演習でやってくれたらいいな(そしたらここに進学したい!とか)、などありましたら、私の公式アドレス、もしくはrikusuigaku@excite.co.jpへ。