理系の大学院でも

13、14日は自然環境専攻の入試です。夏と冬の2回。事前の問題作成、当日の試験監督、採点、集計、面接。集計や監督なんか、教員でなくてもできる仕事だと思いますが、教員で分担してやっていて、特に助教の先生は頼りにされています。東大は学部もありますから、学部入試についても同様の作業が回ってきます。入試に費やす手間暇時間は相当なものです。

アメリカの有名大学って、こういうことをスタッフの教員がやっているとはとても思えません。特に研究が中心の大学では、学生の教育もディスカッションを中心に行われるそうです(例えばhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/psj/jpsj/06812/068120446.pdf)。ここではゼミしか議論の場がありません。そして専攻ゼミは人数が多過ぎて議論の時間かわ十分ではないので、動態ゼミを来年度からは、地学系全体から、研究室単位に変更してもらった所です。
アメリカでは研究系の大学(大学院しかない所は概ね、そう)での教員の評価は、論文を何本パブリッシュしたか、助成金をいくら獲得したか、審査のある学会で何回発表したかであって、教育での活躍やサービスは評価の対象ではありません。研究の裏打ちがない教育サービスはあり得ない、ということなのでしょう。ましてや、必ずしも教員でなくてもできる作業をや、です。

理系の大学院として、こんなんでホントいいのかなあ、少なくとも私は産総研にいた頃よりは研究業績落ちそうだなあと、ちょっと悩ましいこのごろです。