オリジナリティ

自然環境学専攻は大きく陸域と海域に分かれ、海域の学生さんは海洋研究所で過ごします。海洋研究所では多くの研究が研究船を使って行われます。また海洋開発研究機構と深海の研究も行っています。
大型研究船や潜水艇などを使った研究は、そこに係わる機会がないとできることではないので、それだけでかなりオリジナリティの高い研究になります。そして学生さんの研究も、組織だって進められているプロジェクトの一部、という感じのものが多いようです。
陸域では、研究室が推進するプロジェクトの一部を学生さんが担うという例は、あまりないようです。もっぱり「やりたいことを自分でやりなさい」式の指導で、学生さんが自からいろいろ考えてテーマを立て、立案します。しかし、もとよりその方面の知識が豊富にあるわけではないので、実はそれほどオリジナリティのあるテーマではなかったと後から分かったり、方法に抜けがあったりします。しかし自分で考えた、という点ではとてもオリジナルです。
どちらがよいのか一概には言えませんが、修士を出て就職ということを考えると、既に方向・内容が固まっている巨大組織で、その一員として自分に期待される役割を速やかに理解し、それまでの経緯を学習して一翼を担っていくというタイプの企業(大企業はそういう感じでしょうか)には、海域型が合いそうです。チャレンジングな組織、個の創意・工夫を重んじる企業では陸域型が合うのかもしれません。
特に私の研究室は水を対象にしていて、海域も水圏です。特に淡水にこだわらないなら、海域・陸域どちらの教育指導が向いていそうか、入試案内書やホームページ、説明会や個別の問い合わせなどで、よく考えて受験するようにしてください。