ひとつやふたつは仕方ない

Limnology and Oceanographyというアメリカの学術誌は、陸水学・海洋学分野では権威のある雑誌ということになっています。私はこの雑誌に筆頭で4本載せているので(といっても全部、交通事故前です)、会員と思っている方が多いようです。東大海洋研にいたときも産総研にいたときも図書室で読めましたし、アメリカで口頭発表することなんて滅多にないので、実はずっと非会員でした。
東大新領域に来たところ、学生さんがLimnology and Oceanographyを気楽に眺められる環境にないことが分かり、以前から会員になれと言われていたこともあって、とうとう観念して今年から入会しました。
早速届いた2008年1月号は410ページとちょっとした本並に厚くて、内容もいつも以上に多岐に渡っていました。以前から光が無いところでバクテリア二酸化炭素やリンを固定する機能は面白いから調べてみようと思っていたのですが、それに近い報告が数本ありました。感潮域での鉄とリンの関係という、宍道湖・中海でやろうかなと思っていたこともタイトルを見るにやられてしまったようです。まあ、事故以来冬眠状態だったから、一つか二つは先を越されても仕方のないところです。科研費に申請したビッグアイディア(もしくは大ボラ)は少なくともここには無かったので、何とか採択されて先陣を切れますように。。。


(おまけ)この号にあった下記論文、特に「夏の風が無いときは船による波が重要」という点、言われてみれば確かにその通り。こういう論文って、好みです。
The relative importance of wind and ship waves in the littoral zone of a large lake.