生態毒性

化学物質による環境汚染研究について、日本では分析手法に関してはトップレベルにあると思います。個々の生物群に関するデータの蓄積や実験に関するノーハウもかなりのレベルだと思います。
けれども「生態毒性 ecotoxicology」、生態系にどのような影響を与えているかについては、ほぼ無いに等しいと思っていました。
その点について意気投合して、できれば共同研究を立ち上げたいですねと話していた優秀な若手研究者がおられました。アメリカの生態毒性の研究が盛んなところでポスドクをされ、日本での就職を考え帰国してポスドクをされていました。しかし日本ではこういう視点は理解されがたいらしく、結局またアメリカに戻ってしまいました。
その方いわく、日本での研究にはmultidisciplineな視点が大きく欠けている。「石の上にも30年」の様な研究ばかり。
全く同感です。学融合とか複合領域とかいう言葉は目立ちますが。