水草の分布

Zonation of Plants in Freshwater Lakes というタイトルの、90頁くらいあるレビュー論文を読んでいます。
アメリカのタホ湖では、シャジクモ類が水深65mまで、コケ類が122mまで分布するそうです。
これらは船上からのサンプリングなので、ここが本当に限界なのかどうか、もしくは、たまたまどこかから流れ着いたのかについては
It was concluded that underwater sampling like that from a boat can be inadequate but is less likely to be incorrect.
としていました。
英語だと抵抗なく世見過ごしてしまいそうですが、「適切な方法とは言えないが間違いである可能性は少ないだろう」と日本語にすると、科学論文としてこんな書き方いいのかな?と思わないでもありません。
とは言え、私自身、採泥器で得られた泥を篩って、残ったものをホルマリンで固定して動物を同定して計数という卒論研究をやって、「こんなことしていて、本当に生物と環境のことが理解できるのか」と疑問でした。上記のように、群盲ゾウをなでる式のサンプリングも疑問でしたし、現場でどのように暮らしているかも見ないでいいのか、と思いました。それで大学院ではスキューバを習い始めました。
水草研究を始めたオーストラリアのマイオール湖も、湖岸から延々1km以上泳いで、植生の状態を確認しました。このレビュー論文を読んでいて、やっぱり大切なポイントだよなあと改めて思いました。