実験室の模様替え

前任者の先生は、陸水中の主要イオン(富栄養化が問題になる前には「水質」といえばこれらだった、カルシウムとか塩素とかのアニオン、カチオン類)をイオンクロマトグラフで分析し、それらと土地利用との関係をGISと多変量解析で議論させるというテーマを学生さん達に与えていました。今のM2は、それで1年やってきたものですから、実験室の仕様は彼らが使いやすいように一切手をつけず、M1は産総研で私が使わせてもらっている部屋や、他の先生のところで分析させていました。
ようやくM2の研究が終わり、陸水学実験室は現在、模様替えの真っ最中。3台あったイオンクロのうち1台は他の研究室に有効利用していただき、あわせてイオン+蒸留水システムだったのを超純水製造装置に交換。3月5日記事で導入を検討していたTN計、TOC計、各種電極、GCMSも、続々入荷中。
これらを入れるのに、本郷からの移転の際に使うかもしれないと思って持ってきたという地図ケースとかロッカーとか、およそ分析の実験室に不要な備品の廃棄で、D3のT君にはかかり切りで働いてもらっています。「D論で本当はそれどころではないのに、申し訳ない」と話したら、「いや、僕の世代って、本郷から柏の移転で、こんなことばかりでしたから。」。T君は3年では学位論文を書けずD4突入となったのですが、私もこの1年の移動で筆頭論文は全く書けませんでしたし、彼が3年で書けなかったのも仕方ないと、つくづく思います。
ここで問題発生。3,4日ほど前に、17日に産業医の巡視があるとの連絡が入りました。巡視のポイントは危険防止の観点から、ボンベ台や棚などが固定されているか、コード類が安全に配線されているか、ドラフトの使い方などなど。
それで昨日までは何とかごまかせないかと(言葉が悪いですが。。。)、T君と二人で必死で対策を考えていましたが、今日の段階で開き直り、担当部署に電話しました。「今、模様替え中です。ボンベ台は空で、これから位置を決めますので固定できませんし、棚は廃棄前ですし、装置は届いたばかりで結線などはこれからです。巡視に来られても意味ないと思いますが、どうしましょう?」だって、これが事実ですもの。
T君には「もう、その場しのぎの対策はいいから、M2に、自分たちが使ったポリ瓶だけは廃棄して出ていくように伝えてください」と伝えました。
M2の方、読んでいたら、発つ鳥、後を濁さずですよ。それから鍵カードとコピーカードの返却もお忘れ無く。修了証書と引き替えなんだそうです(笑)。