卒業おめでとう!

24日、本郷キャンパス修士・博士の修了式のあと、在校生主催のお祝い会がありました。会では毎年、在校生から修了生ひとりひとりに花束を渡し、修了生から何か一言挨拶をしてもらいます。中でも、ある博士の学生さんの、以下の話が印象に残りました。


僕はとある大学の「環境学」を教えると銘打った学部に約10年前に入ったが、そこの教員から最初に言われたのは「環境学なんて、実はないんだ」ということだった。そして先日、生態学会に行ったら、環境といっても自然科学だけでなく、経済や文化といった内容を含んだシンポジウムなどが開かれていた。僕は自然環境専攻でそういう話を聞いてきたので、どんなシンポジウムの内容にもついていけたし、関心を持った。たぶん、自然環境専攻でやっていることに、ようやく世間が追いついたということだと思う。


うちの学生さんって、やっぱりすごいなあと思います。
修士の大部分は就職で、「海洋研で研究した経験を生かして、基礎化粧品作ります!」とか「フレッツ、光をよろしく」なんて早くも会社宣伝してたりとか、一見、環境研究とは全く関係なさそうな所も多いです。でも環境問題とは、人がどう生きていくか、です。地球温暖化を例にとれば、公共交通が衰退し、マイカーを増やすようなライフスタイルを選ぶ、選ばせる社会になっていることが、非常に大きな部分です。だから、うちをでてどんなところに進もうとも、ここで学んだことをいかして、人間がサステナブルにこの地球で生きていく道を、いつもどこかで探求していくことでしょう。